1.30.2011

靖国神社

昨日、父親から手紙が届いた。
入院している母親の為に、
「祖父が眠る靖国神社の御札を送ってくれ」と書いてあった。
親父に○○してくれと言われたら、黙って従うのが親孝行というものだ。
電話では、言いにくかったのだろう。
もう何度も足を運んでいるくせに、
靖国神社と境内にある遊就館に行きたくてたまらないのを我慢して、
おふくろのめんどうを見ている親父の為に、一人でカメラを持って出かけた。

靖国の境内にある「遊就館」という博物館の
近代日本の戦争に関する展示は、ほんとうに素晴らしいと思う。
靖国神社というところは、縁がない方にとっては、
日本の政治家が参拝するとかしないとかで、マスコミに騒ぎ立てられて
あまりいいイメージが無いかもしれないが、
もし気が向いたならば是非一度足を運んで、
入場料800円を支払って、丸一日じっくり見るといいと思う。

零戦での特攻は有名だが、
「回天」という人間魚雷を初めてみた時は正直驚いた。
生きて戻る事は想定されていないので、溶接して発進したという。
つまりそれを溶接していた人間もいるわけである。。
海底2万マイルに登場しそうなダイビングスーツを着て
爆弾の付いた槍で敵艦をつつくなどどいう信じられない武器もあった。

中国や朝鮮半島を侵略したことは、もちろん事実ではあるだろうが、
世界的な帝国主義全盛にあって、開国したての小さな国土の日本が、
世界を相手に、武士道精神に則って、
「坂の上の雲」を目指していた歴史は知っておくべき事だと思う。

親父の好きそうな展示や境内をたくさん写真に収めた。
大きくプリントして御札と一緒に送ろうと思う。
写真と8mmに夢中だった親父は、
最新のデジタルカメラで撮影した写真を見て、
何を思うのか、楽しみである。



日が暮れて家に戻ると、マガジンハウス部隊の池田軍曹から
直筆の手紙を添えた白いチューリップの花束が届いていた。
2週間前に旅立ったハニーのためにと、妻と私に送ってくれたものだった。
手書きの文字が潤んで見えたのは、生まれて初めてかもしれない。
我が家のやるせない気持ちを、す〜〜っと支えてくれた。
ハニーの13年間をもっとこうしてやってればと後悔ばかりしてしまい、
立ち往生しているところに、 そっと肩を組んでいただいた感じである。
この御恩は、一生忘れない。


Hasselblad H3DⅡ-39  35mm f8 1/125s ISO50 5200℃
※えげつないほど克明に写ってしまうこのカメラシステム。
こういう、、アナログ写真の甘さなど微塵もない、
不思議で、上品なピクセルの集まりこそ、
デジタルならではの可能性だと思っている。
JPEGではあるが、クリックして大きなサイズで見て頂きたい。