2.28.2011

長嶋茂雄

プロ野球のオープン戦が各地で始まっている。
小学生の頃に、小倉球場に読売ジャイアンツが来るということで、
長嶋さんと王さんを生で見たくて、
とても楽しみに観戦に行ったことがあったが、
長嶋さんはたまたま試合に出なくてがっかりしたことを憶えている。

1998年のメンズクラブの長嶋さん特集の取材で、
キャンプ地宮崎で初めてお会いすることが出来た。
当時の長嶋さん付きの広報の小俣さんが、
妻の知り合いだったこともあり大変よくして頂いた。
私の姿を見かけると手招きして
普段は勝手に入る事を許されないようなベンチの中や、
必ず食べかけで置いていってしまうバナナが残った
バックネット裏の部屋などに呼んで頂いた。

ベンチに潜り込んで、長嶋監督の背後に回ってカメラを持っていると
私の顔をちらっと見て、どうぞ撮りなさいと言わんばかりに
素振りのポーズをしてくれた。
しかも力の入れ方を少しづつ変えながら、
変化を付けた写真を撮らせてくれた。
その後も監督を引退されるまで3回撮影させて頂いた。
カメラの前に立ってポートレートを撮るときも
たっぷりサービスしてくれるのはもちろんだが、
カメラを持って遠くから狙っていることに気がつくと、
ファインダー越しに「どうぞ撮りなさい 」
という言葉が聞こえてくるようだった。

当時、Jリーグなどでスナップする際に、
プロ選手達の多くがあまりカメラを好意的に思っていないような
気がしていたこともあって、
常にカメラにも気を配ってくれる日本で最も歴史のある
プロスポーツ界の代表である長嶋監督のことを大好きになった。

お金を払って見に来ているファンや、取材をするマスコミに、
大胆かつ華麗にそのプレーを披露していた3番を背負った長嶋選手の姿を
同じ時代にカメラマンとして撮影したかった。
勝負している時に見た目を気にするという事に関しては、
もちろん賛否両論はあると思う。
ただ、、、私は単純に、、
古い映像で、長嶋選手が送球したあとに派手に転んだり、
空振りをして足がもつれる映像をとても楽しく見る事ができるし、
難解なリップサービスも野球を見たいと思わせてくれる。
そんなプロ野球選手・監督は、とても素敵で素晴らしいと思う。

今年は、人気実力ともに素晴らしいルーキー達が
プロ野球に加わったようで今からとても楽しみにしている。
「セコムしてますか?」の一言で国民を楽しい気分にさせてくれるような
懐の大きなスポーツ選手が現れるのを待っている。
そして「我が球団は永久に不滅です」と胸を張って叫べるくらい、
選手それぞれの見せるスポーツを極めて欲しいと願っている。

プラウベルマキナ670 トライX