7.30.2011

BOSS HOG

1999年の夏、BOSS HOGのWhiteoutのキャンペーンで、
クリスティーナさんが来日した。

雑誌ポパイで撮影のお話を頂いた。2ページ見開きということだった。

(当時住んでいた三軒茶屋の近所の遊歩道で、
夜中によく犬の散歩で、シーナ&ロケッツさんご夫婦と遭遇していて、
犬同士は臭いを交換していたが、ロックな夫婦の迫力に押されて、
シーナさんに九州弁で同郷であることをカミングアウトできず。。。
ロック夫婦好き?としては、、、
アメリカのロックなご夫婦のBOSS HOGのことはなぜか少し知っていたわけで、、、
CDジャケットを見るとヌードなイメージだった。)

「クリスティーナ、、脱いでくれるんすかね?」
「うん、なんか、もしかしたら、いいみたいよ・・ただ、ポパイだからね・・・
スタイリストに相談してみるよ・・・」

なわけで数日後、気が付いたら狭くて古いスタジオの中2階から、
体を乗り出して、FUJIの690を倒したままの三脚に載せて首にストラップをかけていた。
真下には、セクシーで美しいクリスティーナさん。

真夏の暑い日、古いスタジオの天井に近いところは熱気が溜まっていて、
Whiteoutのグリグリくるロックな音をかけてしまったせいもあって、
汗が吹き出て止まらなかった。
ただ、そういうところに限って、顔の汗を拭いてくれるような
気が利いたスタジオマンがいるはずもなく、
カメラを絶対にモデルの上に落とすわけにはいかないので、
顔を拭かずにカメラをホールドしながら撮影を始めた。

1,2枚撮ってファインダーから目を離した瞬間、
あごの先から汗の雫がぽたぽたと、滴り落ちていった。
「あっ・・」
しずるの効いた水滴がスローモーションで
アメリカンビューティーな歌姫のお腹めがけて落下していった。
(「あちゃ~ごめんなさい!いきなし裸にされておまけにスタジオで寝かされて
しかも、アジア人の汗攻撃、、ま、怒られても、もう2枚押してるからいっか。。」)
刹那にそんなことを考えながら、、
「ごめんなさい!!ソリイッ!!」と叫んだ。
彼女は汗の落下を完全に見ていたようで、さすがに着弾するときは
「ヒエ~~」な顔をした。。。。が。すぐさま気にしないで~~~と言ってくれた。

ラボで現像済みのフィルムを受け取って、はさみで切っておしまいだった仕事も、
今時のデジタルであれば、おそらく寝ないで肌を綺麗にしてしまいそうである。

ひらがなで「ありがとう」とハートマーク付きでサインをしてくれたCDは、宝物になった。

FUJI GSW690Ⅱ型 カラーポジ