9.23.2011

土屋裕一


芝居をこよなく愛する役者の土屋裕一さんである。
個人の活動に加えて「*pnish*」(パニッシュ)という同世代の4人組のユニットを作っていて、
精力的に舞台活動も展開している。

約2年前、彼が直接電話をくれて、
「達也さん、カレンダー作りたいんで写真とって下さいよ!」
ファンの為に心のこもったカレンダーを作りたいということだった。
自宅で撮影した白バックの写真を月毎に蛇腹折にして、
彼自身の手書きの数字で構成されたカレンダーは、とても好評だったそうである。

上の写真は、それには収められることはなかった私の中でのベストショット。
「なんかこ~~アメリカのど田舎にふらっているような汚れ・・・・・・」
に彼が応えてくれたショットである。

舞台上で役者が、さまざまな人格を身にまとい、縦横無尽に飛び回り、
感情を爆発させているのを見ると、なぜだかめちゃくちゃやきもちを焼いてしまう。
舞台以外では、普通の人間のふりをしているくせに、
いざステージに登場すると「演技」というものに命を捧げて、
毎回毎回、様々なキャラクターに変身してるのを見るのがなぜか悔しいのである。
そんな状況で、我々のイメージをさらにぶち壊すような人格を見せてくれた時に、
その悔しさが倍増する。

こんな「汚れ」な風情を一瞬でかもしだす彼に、実はなかり嫉妬してるのかもしれない。


そんな彼が久しぶりに電話をくれた。
「達也さん、カレンダー、、また撮って下さい!」
一杯やりながら、打ち合わせをという事で、台風が直撃している渋谷の町に
長靴を履き、パーカーを羽織って飛び出した。
酒を飲む演技でもしているようにパカパカとワインを飲む彼のペースに巻き込まれて、
随分飲みすぎてしまった。
おかげで、気が付いたら電話のデザインが変わっていた。


カレンダーのパッケージ案はほぼまとまった。
嫉妬を感じさせてくれる役者を追いかけて写真を撮ることが出来るのは、最高の喜びもである。
さて、どこにいる彼を追っかけるべきか、、楽しい悩み事ができてしまった・・・