1.03.2013

SIGMA DP2 Merrill

どさくさまぎれの選挙で2012年は幕を閉じた。
よくわからない結果となり、具合が悪いと言って総理大臣を辞めた方が
再びその座についたようである。
震災復興、放射能問題、長引く不況という状況の中、
日本が終わるか終わらないかの選挙になるはずという幻想が、
粉々に砕けてしまった。
もちろん一度の選挙で何かが大きく変わるとは思っていないが、
結局のところ、政治や利権の世界は、
選挙では何も変わらないと落胆したのは私一人ではないはずである。
もしかしたら、この国における民主主義というものは、
実は存在していないのではないか?
戦後の高度経済成長という名の下に、
民主主義をどこかに置いてきてしまったような気がする。

そんな大晦日に気分を変えたくて、
一日早い自分へのお年玉として
コンパクトデジタルカメラ-SIGMA DP2 merrillを買った。
元旦に両親を訪ね、今日初詣に行った際に携行して撮ってみた。
その画像の解像感と素直な描写に今更ながら驚いてしまった。
以前のモデルのDP2を使っていたこともあるし
ネット上の作例写真を目にはしていたが、実際に自分で撮ってみて
やはり手に入れて良かったと思えるカメラに進化していた。
現在、使っているHasselbladのH3DⅡ-39やNikonのD800Eにも
決して負けないどころか、むしろ裸眼で見た空気感をいとも簡単に
そのままモニターに再現するような「新しい」デジタル画像に嬉しくなってしまった。
このカメラと同じセンサーをもつレンズ交換のできるSD1という一眼レフボディーも
存在するが、レンズ交換を捨ててビルトインレンズ専用にチューニングされた
フォビオンセンサーによるストイックなDPシリーズは、
世界で最も夢のあるカメラの一つであると思う。

写真は全て絞り優先オート、ISO100
SIGMA Photo Pro5.4によるX3F(RAWのまま)のニュートラル現像によるjpg
(ちなみに2倍現像というモードでは
9408×6272ピクセルのモードを選ぶ事も出来る)
つまり純正ソフトでそのまま現像しただけのsRGBのjpgである。
是非とも写真を右クリックで別ページで開いた上で
写真をクリックして右肩のView all sizesから
等倍表示(Original4704×3136)で見て頂きたい。
うん十万円もするレンズと数百万円もするデジタルバックにも
負けていないと思える小さな前玉のレンズの小型カメラによる解像性能と、
抜けの良い素直な質感描写は、
フォビオンセンサーを経験していない方にとっては、驚くべきものだと思う。
ブレとピントをケアーして丁寧に撮影する自信があるなら、
この約8万円のカメラはとんでもない宝物となるだろう。
(撮影データはフリッカーページの右下のAditional Infoで)

  
_SDI0365

_SDI0345


_SDI0449

現状のカメラのレスポンスや、データのハンドリング等では、
連続して大量に撮影する仕事に本格的に導入するのは厳しいが、
SD1の後継機の出来具合や、ボディと相性のいい
高性能なレンズが出揃ったとしたら、かなり美味しいシステムになるだろう。

もし仮に、NikonのボディにSIGMAのフォビオンセンサーを
搭載したとしたら。。。
ジャパンブランドの再生の足がかりにもなるような
素晴らしいカメラが生まれて、既存の制度や政治や利権に惑わされずに、
世界に通用する新しい製品作りのきっかけにもなると思う。

謹んで新年の喜びを申し上げるのが、日本人の美徳であるだろうが、
これからは、あまり謹まずに、個々が大胆に生きなければいけないと思う。
政治や利権の世界とは別の、もう一つのパラレルな世界で、
もう一つの幕府を作ってしまうほどのムーブメントにならなければ
日本は変わらないだろう。

それぞれが、心に火を灯しながら、
思うがままにに生きることが大切だと思う正月となった。

今年も、どうぞよろしくお願い致します。