1.06.2015

Quintessence

2015年がやってきた。
山梨で年を越え、元旦から餅を食べ過ぎたせいもあって、
積もり始めた雪の結晶を狙った。

山梨で四季の移り変わりを眺めながらカメラを向けた被写体は、
雲、霧、田植え前の水面、水滴、霜、氷柱、雪が多い。
水(H2O)が物理変化をしたものにばかり目がいっていることに少し驚いた。

元旦早々、雪だるまになりながら、やっとの思いで
前後にぼけた舞う結晶とともにピントがあった写真を撮影することが出来た。
すぐに写真を見て、自分が撮るH2Oの写真達にQuintessence(カンテサンス)
という名称を授けることにした。

写真クリックで大きくして御覧下さい。

Quint(五番目)とEssence(エッセンス)という組み合わせのこの言葉は、
この世を形成する水・空気・火・土という4つの元素に次ぐ究極の元素として、
神髄、本質という意味合いでも使われるようになっている言葉らしい。
以前、この言葉を冠したレストランの取材をした際に、
若いシェフの繊細な感じと、この含みのある美しい言葉が妙に気になっていた。

寒い朝に凍り付くサッシや車のガラスの露結模様
凍てつく寒さの中で川縁の草にぶら下がった氷柱(つらら)
空や山を覆う雲達
同じものは二度と存在しない、変化に富んだ様は、
見れば見る程、すべてが信仰の対象になってもおかしくない程に神秘的である。







よく、自然の造形はすごいねっ!などと簡単に言われることが多いが、
見れば見る程、これこそがリアルな『魔法』なんだろうなと思うようになった。

実は、Quintessenceと名付けるのには裏の理由がある。
こんなところで、カミングアウトしてしまったら、
裏でもなんでもなくなってしまうが、記しておこうと思う。
最近、水を見ると、言葉にはならない恐怖を感じることがある。
自然界では存在してはならない人類が生み出した原子力エネルギー由来の放射性物質が
変幻自在に姿を変える美しい水にも紛れ込んでいる可能性が高いからである。
お風呂に垂れた真っ赤な血が薄まってすぐにわからなくなってしまうように、
地球という青い惑星にこぼれた放射能は必ず姿を変えながら世界中に行き渡るだろう。
直ちに健康被害が有るとか無いとかの問題ではない。
おそろしく長い間、有害な放射線を放つ物質でこの地球を汚すことと、
経済やエネルギー問題とを同じ次元で議論するべきでないことは明らかであると思う。
この美しいH2Oの魔法を心から楽しめるようにしたいという思いから、
Quintessenceと呼ぶ事に決めた。

今日は朝から少し暖かい雨が降っている。
きっとH2O達はがらりと姿を変えることだろう。


今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
中山達也